山形県で子育て中の方、または移住を検討している方へ。「国の児童手当以外にも、もらえるお金ってあるの?」という疑問に、山形県独自の上乗せ制度を公式情報のみでまとめてお答えします。

3人の子どもを育てながらFPとして数多くの家族の家計相談に乗ってきた経験から言えるのは、「県独自の制度を知らないまま数年過ごしてしまった」という方が驚くほど多いということ。知らないだけで損する制度を、国との差分がわかる形で整理しました(2026-10-02 時点)。

まず確認:国の制度との違いはここ

国の児童手当は2024年10月の改正で大幅に拡充されました。主な支給額は以下のとおりです。

対象年齢月額(国基準)
0〜2歳15,000円(第3子以降:30,000円)
3歳〜高校生年代10,000円(第3子以降:30,000円)

所得制限も撤廃され、高校生年代まで対象が広がりました。これが「国の基本ライン」。山形県の独自策はこの上にどう積み上がっているかを確認していきましょう。

山形県独自の上乗せ制度(いま申請できるもの)

1. 0〜2歳の保育料を国基準から最大半額に削減(県独自・継続中)

山形県は「保育料無償化に向けた段階的負担軽減」として、国が定める3〜5歳の無償化では届かない0〜2歳児の保育料に県費を投入しています。仕組みは「県が市町村に交付金を出し、市町村が各家庭の保育料を割り引く」方式です。

所得階層(市区民税所得割)年収目安軽減幅(国基準利用料比)
第3・4区分(97,000円未満)〜470万円1/2(半額)
第5区分(169,000円未満)〜640万円1/4

令和7年(2025年)4月からは第5区分(年収640万円程度まで)が新たに対象に加わりました。第3・4区分で国基準30,000円/月の保育所なら、最大月15,000円のキャッシュオフです。

申請書類は保育所等を通して配付されます。2026年度(令和8年度)の交付時期は第一回が11月中旬〜下旬、第二回が翌年5月中旬の予定です。

2. こども医療費助成:県が基盤を作り、市町村が18歳まで上乗せ

山形県は市町村が運営する「子育て支援医療(こども医療費助成)」に対し、県費で補助を行っています。

  • 県が補助する範囲:外来は小学3年生まで、入院は中学3年生まで(経費の1/2を県が補助)
  • 所得制限:なし
  • 市町村の独自上乗せ:多くの市町村が県の枠を超えて対象年齢を拡大

山形市の例:令和6年(2024年)4月から外来・入院ともに18歳(高校生年代)まで無料化。健康保険の自己負担分がゼロになります(入院時食事療養費・保険適用外は除く)。所得制限もありません。

お住まいの市町村によって対象年齢は異なるため、引っ越しや移住を検討する方は各市町村の担当窓口に確認することをおすすめします。

3. ひとり親向け「応援給付金」3本セット(山形県独自・継続中)

ひとり親の方が資格・技術取得のために専門学校等で学ぶ場合、山形県は国の高等職業訓練促進給付金(月額10万円前後)に上乗せして3種の給付金を設けています。

給付金名月額上限対象条件(追加分)
ひとり親家庭生活応援給付金5万円高等職業訓練促進給付金受給中
ひとり親家庭住まい応援給付金2万円同上+民営借家居住
ひとり親家庭通学応援給付金2万円同上+通学片道30km以上

3つ重複受給できる場合、最大月9万円の上乗せになります。国の基本給付金と合わせると月額19万円規模の支援になる計算です(条件を満たす場合)。

申請先はお住まいの市町村の福祉担当課です。市町村で給付制度を設けている場合に受けられます。まず市町村に相談してから手続きを開始してください。

4. 令和8年度:県産米「つや姫」10kgプレゼント(申込不要)

令和8年(2026年)4月分の児童扶養手当受給者を対象に、山形県産つや姫10kgが自宅へ届きます(6月下旬以降配送予定)。申込不要です。

申請の優先順位と注意点

  1. まず児童手当の認定申請(出生後15日以内が原則)。手続きが遅れると遡って支払われません。
  2. こども医療証の交付申請。保険証が決まったタイミングで窓口へ。出生後1か月以内に申請すれば出生日から適用されます。
  3. 保育所入所と同時に保育料軽減の手続き。施設から申請書類が配付されます。
  4. ひとり親の方は先に児童扶養手当の認定を受けてから、応援給付金を相談。

よくある受給もれ・不採択ケース

  • 転居後の手続き漏れ:こども医療証は自治体をまたぐと無効になります。転居後すぐに市区町村窓口へ。
  • 保育料軽減の階層確認を怠る:市区民税所得割額で判定。源泉徴収票の「控除前」ではなく住民税決定通知書の額が基準です。
  • ひとり親給付金の修業期間要件の見落とし:高等職業訓練は原則6か月以上の養成機関が対象。夜間・通信の場合は事前に市町村へ要確認。

過去の制度(次年度の見通し参考)

物価高対応子育て応援手当(山形市・令和8年4月30日に受付終了)

令和7年9月分の児童手当受給者と令和7年9月〜令和8年3月に出生した新生児の保護者を対象に、子ども1人につき2万円が支給されました。令和8年4月30日で受付終了。今後の物価高対応策については山形市の公式ページをチェックしてください。

問い合わせ先

  • 山形県 こども家庭・母子保健課(児童扶養手当・ひとり親応援給付金)
    TEL: 023-630-2008 〒990-8570 山形市松波二丁目8番1号
  • 山形県 しあわせ子育て応援部(こども子育て政策課)(保育料軽減・県全体の子育て施策)
    公式サイト:pref.yamagata.jp
  • お住まいの市町村の子育て担当課(こども医療証・保育料軽減の具体的な手続き)

FAQ

Q1. 山形県の保育料軽減は国の無償化(3〜5歳)と重複して受けられますか?

A. 国の無償化は3〜5歳が対象、山形県の保育料軽減は0〜2歳が対象です。年齢帯が異なるため重複せず補い合う関係です。子どもの年齢に応じて自動的に適用されます。

Q2. 山形市以外でも、こども医療費は18歳まで無料ですか?

A. 市町村によって異なります。県の基本補助は外来・小3まで、入院・中3まで。それを超えた分は市町村が独自に対応しています。お住まいの市町村担当窓口に確認してください。

Q3. ひとり親向け「応援給付金」は全市町村で受けられますか?

A. 山形県が創設した制度ですが、実際の給付は「市町村で給付制度を設けている場合に限定」されます。お住まいの市町村福祉担当課にまず確認してください。

Q4. 第5階層(年収〜640万円)に入るかどうかはどこで確認できますか?

A. 毎年6月頃に届く「住民税(市区民税)決定通知書」の「所得割額」で確認できます。169,000円未満であれば第5区分の対象です。

Q5. 国の児童手当の「第3子以降30,000円」は山形県にも適用されますか?

A. はい。児童手当は国の制度であり、山形県内でも同じ基準が適用されます。第3子以降(0歳〜高校生年代)の月額は30,000円です。

参考文献